ランドリー
セーター洗いの大切なポイント
一般にウールや絹などのデリケートな衣料は、アルカリ性に対する弱い性質が強調されて中性の洗剤が習慣的に使われてきましたが、洗剤中のアルカリ程度では、長時間浸けおきしない限り繊維の損傷はほとんどありません。
むしろ機械的な力による影響の方が大きいのです。
セーター洗いで大切なポイント
・短時間で洗い上げることと洗いからすすぎまで水温を変えないこと
・洗濯液につけてから脱水が終わるまで3分以内が目安
・適温は30℃で、ひなた水ほどのぬるさ
① 準備
適温を保ちながら短時間に洗い上げるために、洗濯からすすぎまでに使う水はあらかじめ用意しておきます。洗濯槽や浴槽、バケツなどに、30℃のぬるま湯を30リットル程度用意すれば良いでしょう。
洗濯液の量は、セーターを入れて軽く押したときに水面が手首まで来るぐらいが適量です。
通常の粉石けんや液体石けんにセスキ炭酸ソーダか重曹を溶かしこんで洗うと、最も効果的に汚れを落とすことができます。
※粉石けんに重曹を併用するのは、弱い繊維を洗う場合に、粉石けんに配合されている炭酸塩をセスキ炭酸ソーダの形にし、pHを調整する、ということで昔から行われています。また、重曹はアルカリ緩衝剤(洗濯液をアルカリ性に保つ)として働きます。
洗い始める前にしみ抜きをします。平らな場所に広げて、まずしみの部分を濡らし、それから濃い石けん液をナイロンネットにつけてしみの部分を叩きます。
次に、洗濯液を作ります。石けんは、手でしっかり溶かして泡立てましょう。
② 洗い
厚さが平均になるようにたたんだセーターを洗濯液につけて洗います。
たたんだままで、手の向きをまんべんなく変えながら、押し洗いをします。
一押し2秒ぐらいのゆっくりした押し方で、30~40回ぐらい押すのが目安です。
洗い終わったら、たたんだまま下から両手で持ち上げ、2つ折りにしてかるく水気を切ります。
③ すすぎ
すすぎは洗いよりもたっぷりの温湯でします。
たたんだままの状態で軽く押さえ、内側はそっと開いてすすぎ水を通します。
たたんだ状態は崩さないようにします。湯を入れ替えて2回すすぎます。
④ 脱水
すすぎが終わったら、たたんだままの状態で下から両手で持ち上げ、そのまま脱水機に入れます。
脱水は全自動洗濯機なら約1分(2槽式の場合は約20秒)かけ、取り出して形を整えます。
⑤ 乾燥
干し方は、陰干しの平干しにします。
(直射日光は色あせや黄変の原因になるばかりでなく、縮み方も大きくなります。)
バスタオルを2つ折りにした上にセーターを載せて、テーブルの上など平らなところに置きます。市販されている平干し用ネット台を利用することもできます。(つり干しは形崩れの原因になります。)
袖は左右に伸ばすと場所をとるので、身頃に沿わせるようにします。