界面活性剤の表示名称と種類
界面活性剤の表示名称
家庭用品品質表示法での種類の名称および系別の主なものについては、 表示するときに使用する用語を下記のように特定されています。
原則として、界面活性剤の種類の名称(例えば、「アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム」など)を表示することになっていますが、現在の分析方法で種類を特定できない場合など、特別の場合には、系別を示す用語(例えば、「高級アルコール系(陰イオン)」など)で表示されることもあります。
界面活性剤の区分 | 界面活性剤の系別を示す用語 | 界面活性剤の種類の名称を示す用語 |
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陰イオン(アニオン) 界面活性剤 |
脂肪酸系(陰イオン) | 純石けん分(脂肪酸ナトリウム) |
純石けん分(脂肪酸カリウム) | ||
アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム | ||
直鎖アルキルベンゼン系 | 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム | |
高級アルコール系(陰イオン) | アルキル硫酸エステルナトリウム | |
アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム | ||
アルファオレフィン系 | アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム | |
ノルマルパラフィン系 | アルキルスルホン酸ナトリウム | |
非イオン(ノニオン) 界面活性剤 |
脂肪酸系(非イオン) | しょ糖脂肪酸エステル |
ソルビタン脂肪酸エステル | ||
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル | ||
脂肪酸アルカノールアミド | ||
高級アルコール系(非イオン) | ポリオキシエチレンアルキルエーテル | |
アルキルフェノール系 | ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル | |
両性界面活性剤 | アミノ酸系 | アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム |
ベタイン系 | アルキルベタイン | |
アミンオキシド系 | アルキルアミンオキシド | |
陽イオン(カチオン) 界面活性剤 |
第四級アンモニウム塩系 | アルキルトリメチルアンモニウム塩 |
ジアルキルジメチルアンモニウム塩 |
界面活性剤の種類
界面活性剤は、水に溶かしたときに電離してイオン(電荷をもつ原子又は原子団)となるイオン性界面活性剤と、イオンにならない非イオン(ノニオン)界面活性剤に大きく分類されます。イオン性界面活性剤はさらに、陰イオン(アニオン)界面活性剤、陽イオン(カチオン)界面活性剤および両性界面活性剤に分類されます。
イオン性による分類に加えて、親水基や疎水基の種類や原料によってさらに細かく分類されます。
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陰イオン界面活性剤
水に溶けたときに、親水基の部分が陰イオンに電離する界面活性剤です。石けんをはじめ、古くから多くの種類が開発されてきました。現在でも、合成洗剤に多く利用され、その利用量は全界面活性剤の約半分を占めています。
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陽イオン界面活性剤
水に溶けたとき、親水基の部分が陽イオンに電離する界面活性剤です。石けんと逆のイオンになっているため、「逆性石けん」と呼ばれることもあります。一般に、マイナス(負)に帯電している固体表面に強く吸着し、柔軟性、帯電防止性、殺菌性などの性質があるため、柔軟仕上げ剤やリンス剤、消毒剤として利用されています。
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両性界面活性剤
水に溶けたとき、アルカリ性領域では陰イオン界面活性剤の性質を、酸性領域では陽イオン界面活性剤の性質を示す界面活性剤です。洗浄性や起泡性を高める補助剤として広く使用されています。
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非イオン界面活性剤
水に溶けたとき、イオン化しない親水基を持っている界面活性剤で、水の硬度や電解質の影響を受けにくく、他の全ての界面活性剤と併用できます。このように使いやすい性質をもっているため、近年、非イオン系界面活性剤の使用量が非常に増えてきています。非イオン系界面活性剤はその構造により、エステル型、エーテル型、エステル・エーテル型及びその他に分類されます。
非イオン界面活性剤の分類
エステル型
グリセリン、ソルビトール、ショ糖などの多価アルコールと脂肪酸がエステル結合した構造を持っています。非イオン界面活性剤の中ではもっとも古い歴史を持っています。グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルは食品添加物として認可されており、食品の乳化剤や化粧品分野で広く利用されています。洗浄剤として利用されることはほとんどありません。
エーテル型
高級アルコールやアルキルフェノールなど、水酸基をもつ原料に、主として酸化エチレン(エチレンオキシド)を付加重合して作られます。非イオン系界面活性剤の代表的なものです。洗浄剤など各種用途に使用されています。
エステル・エーテル型
脂肪酸や多価アルコール脂肪酸エステルに酸化エチレンを付加したもので、分子中にエステル結合とエーテル結合の両方を持っています。主として乳化剤や分散剤として使用されます。「エーテル型」と「エステル・エーテル型」はともに酸化エチレンを付加したタイプなので、「エトキシレート型」とか「ポリエチレングリコール型」と呼ばれることもあります。
その他の非イオン界面活性剤
親油基と親水基がアミド結合で結合した脂肪酸アルカノールアミドは、安定な泡を作るので、洗剤などの泡安定剤として使用されています。また、糖類(ブドウ糖等)を原料とするアルキルポリグルコシドは、皮膚刺激性が弱く、洗浄力や起泡力に優れた界面活性剤として、近年、台所用洗剤やシャンプーに多く使われるようになってきています。