やってはいけない10ヶ条
第3条
重曹にクエン酸を混ぜる
重曹にクエン酸水をかけます。
すると炭酸が発生し、その炭酸の発砲パワーで汚れを落とします。
重曹にクエン酸や酢を混ぜると二酸化炭素が発生して派手に泡が立ちますが、汚れが浮いてくるだけでこびりついた汚れをはぎ取っているわけではありません。
重曹はアルカリでクエン酸や酢は酸だから、これらを混ぜてしまうとお互いの汚れや臭いを落とす性質を打ち消しあってしまう。これを中和反応といいます。
「クエン酸 1:2 重曹」の割合にすることで完全に中和せず、洗浄効果を保つことができる
とか
重曹が汚れにしみ込むまで15分ほど待つのがポイントです。しみ込んだ重曹にクエン酸がかかり、汚れの内側から発泡して浮かしてくれます
とか
中和作用を利用して汚れを落とすのではなく、重曹とクエン酸が混ざり合うことで発生する炭酸の発泡パワーを利用して汚れを落とす
などと、もっともらしい「解説」や「実験」が結構たくさん紹介されていますが、派手な発泡作用で汚れが浮いてくるだけです。
酸とアルカリの反応の多くは発熱反応ですので、中和作用による反応熱で汚れを溶解することに期待したいところですが、重曹とクエン酸の反応は発生する泡(二酸化炭素)が熱を吸収し、その熱を吸収する作用のほうが大きいため、全体として温度は下がります。
「発泡パワー」で汚れを浮かした後、スポンジで擦って汚れを落としましょう
などとどうしても「発泡パワー」にこだわりたいようですが、ご苦労なことです。
はじめから過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)を使えばスポンジで擦る手間など要りません。
時間と資源のムダ遣いはやめましょう。